食物繊維 多い食べ物・飲み物は?便秘解消・ダイエットレシピ7選
便秘解消やダイエットの強い味方といえば「食物繊維」ではないでしょうか。食物繊維が多い食べ物、飲み物、そもそも食物繊維とはどのようなものなのか、食物繊維の種類や目安量、摂取の仕方や注意点などを紹介します。
食物繊維を多く含む食材を使った簡単レシピもいくつか公開していますので、ぜひ参考にして食卓に取り入れてみてください。

食物繊維とは?
食物繊維とは、人の消化酵素では消化できない食品中の成分のことをさします。繊維状のもの、蜂の巣状のもの、へちま状のものなどの形状の違いはありますが、多孔質といって表面にたくさんの穴があることが特徴です。表面にたくさん穴があることによって表面積が大きくなり、吸着する能力があがります。
今でこそ注目を浴びている食物繊維も、つい30年くらい前までは栄養的価値がない成分と考えられていました。食物繊維が注目を浴びたきっかけは、先進国に多い大腸憩室症、糖尿病、胆石、動脈硬化症、虚血性心疾患といった病気が食物繊維摂取量の多いアフリカ住民に少ないことや、食物繊維が大腸がん予防に大きな影響を与えているという研究報告が英国をはじめとして寄せられてきたことです。
日本人は米国人に比べて食物繊維の摂取量が多く、日本人の方が大腸がんの発症数が少なかったことから、日本でも食物繊維の研究がすすめられました。その後、次々に食物繊維のメリットが発見され、今では「第六の栄養素」とまでいわれています。
食物繊維の種類
食物繊維とひとことでいっても、2つの種類があることをご存知でしたでしょうか?
食物繊維は大きく分けると、「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」とがありあます。不溶性食物繊維と水溶性食物繊維を足した量を「食物繊維総量」といいます。不溶性食物繊維、水溶性食物繊維、それぞれの特徴をみていきましょう。
不溶性食物繊維とは
穀類、野菜、豆、エビやカニの表皮などに含まれる食物繊維で、繊維状や蜂の巣状、へちま状でボツボツ、ザラザラとしています。一般的に食物繊維というとこちらの不溶性食物繊維をイメージする方が多いと思います。
保水性が高く、胃腸で水分を吸収してふくらみ、腸の蠕動運動を活発にして排便を促してくれます。また、よく噛む必要があることから顎の発達をよくして歯並びを整えます。腸内で分解されたり発酵したりすると、腸の善玉菌が増えて腸内環境の改善に役立ちます。
不溶性食物繊維のなかにも種類があります。
穀物の外皮に多く含まれるセルロース、セルロースと似た働きをするヘミセルロース、成熟すると水溶性に変わるペクチン、ココアなどに含まれるリグニン、カニやエビの殻に含まれるキチン・キトサンなどがあります。
水溶性食物繊維とは
食物繊維というと不溶性食物繊維をイメージしがちですが、ネバネバした食物繊維やサラサラした食物繊維があります。それが水溶性食物繊維です。昆布、わかめといった海藻類、こんにゃく、里いもなどのイモ類、果物に含まれています。
粘着性があることから腸内をゆっくりと移動し、お腹がすきにくく糖質や脂質の吸収を緩やかにしてくれます。胆汁酸やコレステロールを吸着して体外へ排出するはたらきもあります。不溶性食物繊維よりも発酵しやすく、腸内環境の改善にも役立ちます。
水溶性食物繊維のなかにも、ペクチン、こんにゃくに含まれるグルコマンナン、海藻に多く含まれるアルギン酸やフコダイン、オクラのネバネバに代表されるムチンなどの種類があります。
食物繊維を摂るとどんな効果を期待できる?
食物繊維は「ダイエタリーファイバー」と呼ばれることもあり、ダイエットにはもちろん、健康面でも様々な効果が期待できます。食物繊維を摂取するとどのようないいことがあるのかご紹介します。
便秘解消・整腸作用
食物繊維というと便秘解消というイメージが強いのではないでしょうか。なぜ食物繊維が便秘解消に効果的なのかご説明します。
まず、不溶性食物繊維には、水分を蓄えて腸壁を刺激し、蠕動運動を活発にして排便を促す働きがあります。なかなか便意を感じず排便が困難になっている方にとってはありがたい働きといえますね。
また、頑固な便秘や便秘がちになっている方は腸内細菌のバランスが悪くなっている可能性もあります。腸内には善玉菌と悪玉菌が存在しており、悪玉菌が多いと腸の働きが悪くなってしまいます。
便秘改善には腸内を善玉菌が優勢の状態に整えてあげることも有効なのです。不溶性食物繊維にも水溶性食物繊維にも、大腸内で発酵する性質があり、食物繊維が発酵したものは腸内の善玉菌が繁殖するためのエサになります。善玉菌が増える手助けをしてくれるというわけです。
美肌になれる!?
便秘はいわば老廃物を体内に溜め込んでいる状態です。長期に渡って老廃物を溜めていると再吸収されて血液にのって全身へ運ばれます。
意外かもしれませんが、お肌は排出器官でもあるため、お肌から老廃物を出そうとします。その結果できてしまうのが吹き出物です。一見無関係に思える肌荒れと便秘ですが、便秘が解消することで吹き出物が減ったりなくなったりすることもあります。
食べ過ぎの防止
不溶性食物繊維を食べるときには噛む回数が増え、たくさん噛んで食べることによって満腹中枢が刺激され食事の量を減らしても満腹感を感じることができます。
また、水溶性食物繊維は胃腸内をゆっくりと移動するので、胃にとどまっている時間が長く、空腹感を感じにくくしてくれます。こうした不溶性食物繊維と水溶性食物繊維のはたらきにより、食べ過ぎの防止に役立ちます。
血糖値の上昇を緩やかにする
食事の最初に食物繊維を摂取すれば血糖値の上昇が緩やかになるというのはもはや定説のように語られていますが、実は血糖値が上がるのを抑制できなかったという結果も出ているようです。
その一方で定説通り血糖値上昇を抑制できたという結果もあり、現に特定保健用食品では血糖値が気になる方向けに食物繊維入りの飲料なども販売されています。食物繊維が血糖値の上昇を緩やかにするのは事実だと考えられますが、すべての人に当てはまるというわけではなさそうです。
例えば、糖尿病の患者さんなど糖代謝に異常のある方では食物繊維による血糖値抑制の効果が弱まってしまうことも考えられます。
また、食物繊維の中でも血糖値上昇を抑制する効果が高いのは水溶性食物繊維のほうだということがわかっています。水溶性食物繊維が血糖値の急激な上昇を防ぐ理由は、水溶性食物繊維がネバネバとした粘度をもっていることにあります。
この粘性によって胃腸内をゆっくりと移動するので、水溶性食物繊維と一緒に摂った糖質もゆっくりと移動して消化吸収されます。
一気に糖質が消化・吸収されれば血糖値も一気に上がってしまいますが、ゆっくりと消化・吸収されれば血糖値の上昇もゆるやかになるというわけです。
コレステロール値を抑える
健康診断でコレステロール値がいつも気になる…という方はぜひ食物繊維の力を借りてみてはいかがでしょうか。食物繊維を摂ることで雪だるま式にコレステロール値を減少させることができるかもしれません。
というのも、食物繊維には食品のなかに含まれているコレステロールそのものを吸着して体外に排出する作用と、胆汁酸というコレステロールを原料にした脂肪を消化するための消化液を体外に排出する作用があります。
胆汁酸が体外へ排出されることにより、体内で不足した胆汁酸を作るためのコレステロールを補おうと、蓄えられた過剰なコレステロールを利用するようになります。つまり3つのメカニズムによって血中のコレステロールを下げることが期待できるのです。
血圧を下げる
高血圧の大敵といえば塩分(ナトリウム)です。食物繊維が糖質やコレステロールの吸収を和らげてくれるのと同様に塩分の吸収も抑えて高血圧の予防や改善が期待できます。特に水溶性食物繊維のアルギン酸は食品中でカリウムなどのミネラルと結びつき、胃の中でカリウムを放します。
するとカリウムが腸から吸収され、血液中のナトリウムをは追い出す働きをします。こうして血中のナトリウムが減少します。また、小腸ではアルギン酸がナトリウムと結びついて、便としてナトリウムを排出してくれます。
がんのリスクを下げる
食物繊維は大腸がん予防との関連が報告されています。摂取する食物繊維の量が少ないと、大腸がんに罹患するリスクが高まるという報告があります。
では、たくさん食物繊維を摂ったら摂っただけがんになるリスクが減るのかといえばそうではありません。一定量以上を食べてもリスクを減らせるというわけではなく、食物繊維の摂取量が少ないとがんのリスクが上がるということです。適量を摂取するだけでも大腸がんの予防が期待できます。
食物繊維の1日の適切な摂取量は?
日本人の食事摂取基準2015年版によると、成人男性で20g以上、成人女性で18g以上の食物繊維を摂ることがよいとされています。
しかし、平成20年の国民健康栄養調査結果の概要では、10代から40代では食物繊維の摂取量が13g程度と目標量に到達していないことがわかっています。もうあと5gほど多く食物繊維を摂ることができれば目標量に近づくことができます。
食物繊維を多く含む食品
食物繊維を多く含む食品と100g中に含まれる食物繊維量をご紹介します。なるべく食卓になじみのあるものを選んでピックアップしました。食物繊維量は簡単!栄養andカロリー計算を参考にしました。
食物繊維が多い豆類
・ゆでいんげん豆 13.3g
・ゆであずき 11.1g
・ゆで大豆 7.0g
豆類は食物繊維が豊富なものが多く、日本人には馴染み深い大豆も食物繊維がたくさんふくまれています。
茹でた豆をそのまま食べる機会はさほど多くないかもしれませんが、
・納豆 6.7g
・豆味噌 6.5g
・おから 11.5g
・きなこ 16.9g
など大豆を利用した製品にも食物繊維が含まれていますので、同じ大豆製品でもローテーションすることで飽きずに摂ることができそうです。
食物繊維が多い乾物
・干し椎茸 41.0g
・乾燥ひじき 43.3g
・乾燥寒天 74.1g
・わかめ 35.6g
・切り干し大根 20.7g
・乾燥かんぴょう 30.1g
乾物は保存がきくだけでなく食物繊維も豊富です。他の食品と比べるとびっくりするくらいたくさんの食物繊維が含まれていますが、実際に食べる時は乾燥した状態から水などで戻すので乾燥したものを100gぶん摂ることはまずないでしょう。とはいえ、乾燥した状態で10gの量を食べても、2~7g程度の食物繊維が摂取できるので食物繊維が豊富であることは間違いありません。
食物繊維が多い野菜
・ごぼう 6.1g
・モロヘイヤ 5.9g
・菜の花 4.3g
・ブロッコリー 3.7g
・ほうれんそう 3.6g
「あれ、キャベツは?」と思った方も多いのではないでしょうか。キャベツの食物繊維量は1.8g程度と意外と少ないのです。野菜の中でもにんにく(5.7g)やとうがらし(46.4g)は食物繊維量が豊富ですがたくさんの量を食べるのは現実的ではありません。
また、モロヘイヤや菜の花も出回る時期が限られています。野菜で食物繊維を摂るのは少しむずかしいように感じますが、ほうれんそうなどは茹でたりして加熱をするとかさが減ってたくさん食べることができるというメリットもあります。
食物繊維が多い穀類
・押し麦 9.6g
・オートミール 9.4g
・アマランサス 7.4g
普段私たちが主食として食べている白米の食物繊維量は0.3gしかありません。しかし、押麦やオートミールにはたくさんの食物繊維が含まれています。ご飯に押麦やアマランサスを混ぜて炊いて食べるだけでも白米のみより食物繊維を多く摂ることが出来ます。
また、オートミールはお好みのドライフルーツなどを入れて食べれば手軽に食物繊維豊富な朝食をつくることができますよ。
食物繊維を多く含む食材を使ったレシピ
食物繊維をたくさん含む食材を使って料理をしてみました。全部同時進行で作っても1時間半程度(ガスコンロ2つ使用)、2時間以内につくれます。週末作り置きや冷凍にも対応できるおかずを考えたのでアレンジしたりしてたくさん活用してもらえるとうれしいです。
あずきと押麦のごはん
<材料>
白米…2合
ゆであずき…180g
押麦…大さじ2
水…お米2合分+10~20cc
塩…お好みで
<作り方>
白米を炊く要領とかわりません。
1. お米を研ぐ
2. 炊飯器の釜にお米、ゆであずき、押麦、水、塩を入れます
3. 通常炊飯モードで炊けば完成
<ポイント>
うるち米を使えばお赤飯ですが、雑穀ごはんに近い感じです。すでに茹でてある小豆を使うことで時短でき、水加減もほとんど変えなくてOKです。今回はイチビキのゆであずきを使用しました。あずきは必ず無加糖のものを使ってください。お好みによって水加減は増減させてくださいね。
切り干し大根とキャベツのトマト煮
<材料>
切り干し大根…50g
干し椎茸…10g
キャベツ…1/8個
カットトマト…1/4缶
コンソメ…1/2個
ケチャップ…大さじ1
ソース…大さじ1
カレー粉…ひとつまみ
<作り方>
1. しいたけと切り干し大根は水で戻します。しいたけの戻し汁はダシに使うので捨てないでください。
2. 水で戻した切り干し大根、しいたけ、キャベツを適当な大きさに切ります。キャベツは千切りがおすすめです。
3. 深めのフライパンに2と1の戻し汁、カットトマト、ケチャップ、ソース、コンソメ、カレー粉を入れて汁気なくなるまで煮たら完成。
<ポイント>
しいたけのだし汁を捨ててしまったら和風だしを入れてもOKです。ただ、無添加タイプのものでないと塩分が多くなるのでコンソメやケチャップ、ソースの量を減らしてください。お好みでコーンやツナを入れても美味しいです。ソースをお好み焼きソースにするとすこし和風になります。
<アレンジ方法>
大量にまとめて作って冷凍しておいてもOKです。フードプロセッサーで細かくして他の野菜やひき肉を足してミートソースを作ったり、コロッケの中身を作ったりすることもできます。
ひじきとミックスビーンズの煮物
<材料>
生ひじき…1パック
ミックスビーンズ…1パック
※今回は自分で金時豆、白インゲン豆、ひよこ豆をブレンドしました
コーン(つぶ)…小1/2缶
人参…1/2本
★みりん…大さじ1
★醤油…大さじ2
<作り方>
1.人参をみじん切りにして深めのフライパンか鍋で炒めます
2.そこへひじき、ミックスビーンズ、コーンを入れます
3.だし汁を材料が浸からない程度にいれます(顆粒だしを使う方は水と顆粒だしをいれてください)
4.★を入れて中火から強火で汁気がなくなるまで煮たら完成
<ポイント>
油揚げや鶏肉、さやえんどうなどを入れても彩りがよくなります。よく大豆の水煮が入っていることがあると思いますが、もちろんミックスビーンズのかわりに大豆の水煮を使用してもOKです。
今回はひじきの煮物のイメージを少し変えるべく金時豆、インゲン豆、ひよこ豆を使いました。ゆでてあるものを使うことで時間が短縮できるので、ミックスビーンズ缶を使っても良いと思います。
カレー風味のきんぴらごぼう
<材料>
ごぼう…1~2本
人参…1/2本
だし汁…50ccくらい
カレー粉…適量
<作り方>
1. ごぼうと人参を切ります。今回はカット済みのごぼうを使いました。とても便利でおすすめです。
2. フライパンにごま油をひいて1を炒めます。
3. だし汁(和風)、カレー粉を加えて汁気がなくなるまで炒め煮にしたら完成です。
<ポイント>
砂糖、醤油、みりんといった調味料を使わず、だしとカレー粉だけで味付けしていますので糖質や塩分を抑えることができます。今回は余っていたコーンも少し入れました。人参や玉ねぎを足してかき揚げにアレンジしても美味しいです。
余った材料で!ミックスビーンズ入りトマトソース
<材料>
ミックスビーンズ…1パック
(今回金時豆、白インゲン豆、ひよこ豆をブレンドたもの)
玉ねぎ…1個
コンソメ…1/2個
カットトマト…1/2缶
<作り方>
1. 玉ねぎはみじん切りにして深めのフライパンでよく炒めます
2. ミックスビーンズ、カットトマト缶、コンソメを入れて煮たらできあがり
<ポイント>
濃い目に作って製氷皿などに入れて冷凍しておけば使いたい時に使いたいだけ使うことができて何かと便利です。今回は蒸した鶏肉のソースとして利用しました。
お湯で伸ばしてショウガをすりおろせば身体のあたたまるミネストローネ風スープになります。汁気がなくなるくらいに煮詰めればミックスビーンズのトマト煮として副菜になります。
余った材料で!しっとりおからの煮物
<材料>
ツナ缶…2缶
おから…100g~200g
人参…1/2本
しいたけ…10g
ショウガ…ひとかけ
★砂糖…小さじ1
★みりん…大さじ1
★醤油…大さじ2
<作り方>
1. しいたけは水で戻します。戻した水はだしとして使うので捨てないでください。
2. しょうが、人参、しいたけを切ります。しょうがはみじん切りかすりおろしがおすすめです。
3. フライパンに2とツナを入れてよく炒め、だし汁と★を入れて人参に味がしみるまで煮ます。
4. おからを入れて汁気がなくなるまで煮たら完成。
<ポイント>
ツナ(オイルありのタイプ)をたっぷりとつかうことでおから独特のパサパサした感じやモソモソした感じを軽減し、しっとりと食べやすい食感になります。今回は余っている材料で作りましたが、青ネギや油揚げなど他の具材を入れてもおいしいです。
ホームベーカリーでつくるブランパン
<材料>
ふすま粉…25g
薄力粉…100g
強力粉…125g
塩…2g
バター…15g
スキムミルク…20g
砂糖…小さじ1
水…160ml
ドライイースト…3g
<作り方>
1. ホームベーカリーに材料を入れて焼く。あればフランスパンモードがよいです。
※材料の入れ方などは機種の取扱説明書に従ってください
<ポイント>
ふすまの量を増やすと膨らまなくなります。筆者もかれこれ2年くらい頻繁にホームベーカリーでパンを焼いていますが、使う粉、粉の配合、粉以外の材料、水分量、気温、イーストや粉の新しい古いでずいぶんできに差が出ます。
専用の粉を使ったり取扱説明書のレシピ通りに作ればもちろんうまくいきますが、コストがかかったりそもそもレシピにふすま入りのパンが載っていないこともあります。
何度も焼いて機種の癖や傾向をつかんだり、モードを変えたり材料を変えたりして試行錯誤してみてください。
飲み物で手軽に食物繊維を摂取する
食べ物だけで食物繊維を補うのは辛い!と感じる場合は食物繊維を含んだ飲み物も取り入れてみましょう。たとえ1gであっても塵も積もれば山となるのです。毎日、青汁とココアを1杯ずつ飲むだけで、何も意識しないより2g~3gは食物繊維の摂取量に差が出てきますよ。
青汁
青汁は野菜の汁をしぼったものですが、最近では大麦若葉、ケール、明日葉などの野菜を乾燥させてまるごと粉末状にしたものが主流になっています。普段食卓にあがることがなかなかない野菜の栄養と食物繊維を摂ることができます。青汁1杯に含まれる食物繊維の量は製品ごとにばらつきがありますが、たいてい1gか2g程度です。
スムージー
.野菜や果物をミキサーやブレンダーで撹拌するスムージーは、野菜や果物の食物繊維をまるごと摂ることができます。なるべく食物繊維量の多い野菜や果物を使うのがおすすめです。
自分で野菜や果物を用意して作るのは手間ですが、食物繊維だけでなくビタミンやミネラルも摂ることができるためメリットも大きいです。スムージーをなかなか自分作ることができない人のために、紙パックに入っているものや水に溶かして飲むインスタントタイプのものもあります。ただし、次に書くような人工的な食物繊維が入っているものもあります。
人工食物繊維の入った飲み物
食物繊維が豊富に入っていると謳ったいわゆるファイバードリンクというものも存在します。こうした商品は確かに手軽に食物繊維を摂ることはできますが、食物繊維が人工的につくられたものであることもあります。
たとえば、野菜がたっぷり描かれたパッケージで食物繊維もたくさん入っていそうな市販のスムージードリンク。それでも成分を見てみたら「難消化性デキストリン」や「ポリデキストロース」という人工的な食物繊維が添加されているということもあり得ます。
もちろん、難消化性デキストリンやポリデキストロースは安全性が高く、水溶性食物繊維と同じような働きをしてくれるので入っていても全く問題ないのですが、「人工的なものは摂りたくない」と考えているかたにとっては落とし穴になってしまいますので、表示を確認することをおすすめします。
ちなみに、食物繊維たっぷりと書かれたアーモンドミルク。ポリデキストロースが成分のトップにきていました。とはいえコップ1杯で5.5gもの食物繊維を摂ることができるのは魅力的ですね。
抹茶
お茶の葉には食物繊維が多く含まれていますが、私たちが日本茶を飲む時は葉までは飲みませんよね。せっかくの食物繊維を摂ることができていないのです。そこで、葉を粉砕してまるごといただけるお茶といえば、抹茶です。抹茶を1杯飲むだけで食物繊維量が0.77g摂ることができます。
ブラックココア
ココアも食物繊維を摂るのには適している飲み物です。1杯ぶんにココアパウダー5gを使うとして、1.3gの食物繊維を摂ることができます。砂糖などが入っている調整ココアはこれより食物繊維量が少なくなってしまう可能性があるので、純ココアでココアを作って好みの甘さに自分で砂糖などを入れて調整するのがおすすめです。
ココアに生姜を入れればよりダイエット効果が期待できます。
きなこドリンク
きなこには食物繊維が多く含まれています。そのままきなこを食べるのはなかなか大変ですが、牛乳や豆乳などにきなこを溶かして飲めば食物繊維を簡単に摂ることが出来ます。
コップ1杯に対して大さじ2杯位を目安によく混ぜて溶かして飲んでみましょう。青汁+牛乳(豆乳)+きなこという組み合わせなら食物繊維やたんぱく質もしっかり摂ることができておすすめです。
効率よく食物繊維を摂るならサプリもおすすめ
なかなか野菜や飲み物では1日に必要な食物繊維の量を摂ることが出来ないという方は、サプリを使ってみるのも一つの方法です。
Amazonで売れ筋(2017.6.28現在)の食物繊維のサプリメントを見てみると、1位が「難消化性デキストリン」でした。自分で飲み物や料理に入れて使う商品のようです。
2位は「ネイチャーメイド 食物繊維」でした。こちらはよく見かける粒タイプのサプリメントです。成分を見てみると、主な成分は難消化性デキストリンでした。
続く3位は「イージーファイバー」でした。飲み物などに溶かして摂取する粉状の食物繊維のサプリメントで、ドラッグストアなどでも見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。ちなみにこちらも難消化性デキストリンが主な成分です。
サプリメントでいう食物繊維は、結局1位になっている難消化性デキストリンであることがわかりました。そのため、難消化性デキストリンが使われた商品よりも難消化性デキストリン自体を購入してコストを下げようという消費者の心理が垣間見えます。
難消化性デキストリンはトクホ飲料などにも配合されている成分ですし、価格も400gで900円程度と高すぎず、無味無臭で混ぜた飲み物や食べ物の味が変わらないというメリットもあるようです。
効果に関しては、便秘が解消されたという意見も多いですが、逆に便秘になったり体質に合わず下痢になったという声も少なからずあります。
手軽に食物繊維を摂ることができるのはありがたいですが、難消化性デキストリンは水溶性食物繊維ですので不溶性食物繊維の摂取量が不足していると期待していた便秘解消効果が感じられないことや、お腹をくだしてしまうこともあるのかもしれません。
人工の食物繊維を使っていないサプリメントは?
難消化性デキストリンはじゃがいもやとうもろこしから作られた人工の食物繊維ですが、「いくら食物繊維を効率よく摂りたくても人工のものはちょっと…」と考えている方もいることでしょう。
サプリメントというよりは食品ですが、ケロッグのオールブランシリーズは難消化性デキストリンではなく小麦の外皮(ブラン)由来で食物繊維をたっぷり摂ることができます。
筆者もよく購入して食べるので、なるべく人工的な食物繊維を避けたいと考えている方にはおすすめです。
ちなみにオールブランオリジナルは1食40gで11gもの食物繊維を摂ることができます。
ただ、食感はブランらしくザラザラモソモソという感じで、砂糖が入っているもののさほど甘くはありません。「食べづらい」「おいしくない」と感じてしまう方も少なくないように思います。
筆者個人的には甘すぎず、ブランの食感も好きですが。食べにくいと思う方はフルーツを入れたり牛乳やヨーグルトでふやかしたりして食べるとちょうどいいと思います。
筆者のおすすめはキウイ+アーモンドミルクです。
同じケロッグのオールブランシリーズで、ブランフレークのほうは摂れる食物繊維の量は減りますが、プレーンタイプとフルーツが入っているタイプがあり、コーンフレークに近い食感と甘さで初心者にも食べやすいと思います。
フルーツが入っているタイプは水溶性食物繊維と不溶性食物繊維が両方入っていますが、「水溶性食物繊維」というおそらく難消化性デキストリンなどのたぐいのも入っています。
ちなみに、オールブランオリジナルとオールブランフレークプレーンタイプは特定保健用食品(トクホ)です。
食物繊維を摂りすぎるとどうなる?
どんなに健康によいものであっても過ぎたるは及ばざるが如し。食物繊維も摂りすぎると思わぬお腹のトラブルに見舞われることになるかもしれません。
日本人の食物繊維の摂取量からもわかるとおり、食品から食物繊維を摂りすぎるほど摂ることは容易ではありませんが、サプリメントを使用した場合は比較的簡単に多くの食物繊維を摂ることができるので取り過ぎに注意したいものです。
下痢
食物繊維をたくさん摂りすぎることで腸のぜん動運動が過剰になり水分が吸収されないまま排出されることもあります。蠕動運動が活発になると腹痛をともなうこともあります。
また、食物繊維は本来消化できないもの、つまり消化吸収の負担になるものでもあるので消化不良状態になって下痢になることもあります。ケースもあります。下痢は必要な栄養素も吸収されないまま排出されてしまうだけでなく、体力も意外と消耗するものです。決してよい状態とはいえませんので食物繊維の摂取量を少し減らしてみましょう。
便秘
便秘解消のために食物繊維を摂取したつもりが食物繊維の摂りすぎで便秘になることもあります。これはどういうことかというと、不溶性食物繊維を摂りすぎてしまった場合には食物繊維が腸内の水分を吸収しすぎて便が硬くなってしまい逆に便が出にくくなってしまうのです。
便秘になると便が腐敗や発酵し悪玉菌が増えてガスが発生し、お腹が張って苦しくなったりすることもあります。食物繊維を摂取するときのバランスとして、不溶性食物繊維2に対して水溶性食物繊維1という割合が理想的と言われていますので、不溶性食物繊維が多すぎなかったか、水溶性食物繊維が少なすぎなかったかふりかえってみましょう。
他の栄養素の吸収の妨げになる
腸内の食物繊維が多すぎると、他のビタミンやミネラルの吸収が邪魔されることがあります。とくに、カルシウムを吸着して体外に排出してしまうので、カルシウム不足になってしまうおそれがあります。